● はじめに
-
大きく重い"ミニノート"が多い昨今、
東芝LibrettoX0, CASIO Fiva 10Xから数年、
どこにでも持って行けるサイズ/重量のPCがやっと出ました。
私の使っている(た)Fiva10Xよりずっと速く、価格も高すぎず、
なかなか良い感じではないかと思います。
特徴
- 小型
- 軽い (820g)
- Crusoe 867Mhz
- LCD 1024x768
- HDD 20G (1.8inch)
- Ethernet内蔵
- USB 2port
- ACアダプタが小さい
×な点
- 変則キー配列(キータッチは往年のLibretto X0系でOK)
- 文字が細かい(18dot,20dotフォントを常用中)
- バッテリーのある後部が分厚すぎ
△な点
- HDDの動作音がわりと耳につく。また、そんなに速くない(15Mb/S程度)
- バッテリがそれほど持たない(実力で2-3時間程度)
- 冷却ファンが付いていて動作音が耳障り。おかげでほとんど熱くならないのですが...
もともとメインの環境はKondara 2.1を使っていたので、これをインストールし、
jog dial, Zoomボタン, ThumbPhraseボタン、
ACPIまでたどり着きました。
またswsuspを利用してハイバネーションも出来ましたので参考にしてみて下さい。
インストールは一筋縄では行かなかったのでメモしておきます。
現在はメインとしてRedHat 7.3を使っているのですが、
Kondaraと状況が似ているので、出来る限り併記します。
2002/10/12 新情報!
以下、当ページで御紹介しているalim15x3向けパッチなしでもUIDEもPCIも使用出来る状態で起動可能なことが判明。紹介しているパッチは改良してノースブリッジチェックを
入れれば汎用的にOKと思いますが、やはりパッチなしで使えると
敷居がかなり下がりますよね。
以下のオプションを試して見てください。RedHat8.0と自前コンパイルの2.4.20pre,2.4.19はこれでOKでした。他のディストリビューションでもOKぽいです。
むしろMemory Stick slotで引っかかります。
と言うわけで以下のオプションでRedHat8.0のインストーラが起動するところまで
確認しました。
また無事インストールできればUSBありでも起動出来るかも知れません。
いくつか試しましたが、usbありでいけるものといけないものがあるようです。
(nullからのアップデートしたカーネルではOKでした。
linux ide0=ata66 ide1=ata66 ide2=0x180,0x386 nousb
上記オプションを頭において、以下、ご覧ください。まとめなおさねば...
● 動作状況
-
ざっとLinuxで確認した状況です
ベース: Kondara2.1, kernel-2.4.18-62ky(cvs+パッチ若干) |
kernel |
○ |
後述するALM m15x3用のパッチ,FDCを切る,sonypi追加など
TurboLinux8ではパッチ不要とのこと |
XFree86 4.1.0 |
○ |
ほぼ問題無し(注:要対応パッチ、KondaraはOK)。3Dなどは未テスト。 |
サウンド |
○ |
OS標準のドライバでほぼOK。後述しますが、デフォルトではたまにノイズが乗ります。クライアントの設定でバッファを大きくとるとOKです。また内蔵スピーカの音量調整がPhoneOut=MONOマスターでコントロールするようになっています。
|
内蔵Ethernet |
○ |
8139tooで動作 |
USB |
○ |
ohciで認識。特に問題ありません |
PCMCIA |
○ |
挿抜も問題なさそうです。 なぜかCFメモリカードを読むとMemoryStickより遅いです? |
IEEE1394 |
- |
対応機器を持っていないので未チェック |
サスペンド/ハイバネ |
△ |
素のカーネル2.4.18にacpi-0611、swsusp(acpi-0611対応版)と
その他のパッチを当ててほぼOK。acpi-0726,swsusp v11も同様にOK。
興味ある方はSuspend/Hibernationからどうぞ。
|
ACPI |
△ |
最新ACPIでバッテリ残量,AC/Batt,温度などが取得可能
ただしospmdでみるとイベントがおかしな模様(acpi0611,0726では未確認) |
メモリースティック |
○ |
大体OK。CLIEと画像、音楽データの交換が出来ました。 |
ジョグダイアル |
○ |
sonypiでOK |
Zoom,ThumbPhraseボタン |
○ |
sonypiとsjogを改造してOK |
LongRun |
○ |
367,533,667,800,867Mhzと切り替わります。 |
ソフトウェア |
VMWare |
△ |
うちではサウンドが×です。動作はかなり遅く、起動に5分以上かかります。
また常時そこそこの負荷がかかった状態になります。
LongRunでMaxな設定にすれば若干ましですが、
ヘビーでないアプリならぎりぎり使えるレベルかと
また、全画面表示をすると画面がおかしくなります。
(RedHat8では問題ありません)
このマシンに限ってはWin4Linがお勧めです。
|
xmmsなど |
○ |
バッファを大きめにとるとノイズがほぼなくなります。ほかに特に問題なし |
Win4Lin |
◯ |
VMWareと比べて知名度は低いですが、これもWindowsのソフトを
Linux上で動作させるソフトです。とてもU1に似合っているので
以下に若干記述。
|
KDEのサウンド |
○ |
詳細は後述しますが、KDEのサウンドサーバの設定が必要です。
|
xine(mpeg動画再生) |
○ |
mpeg2,aviともにOK。特にコマ落ちは感じません。 負荷もそれほどでもありませんし、全画面でもOK。他にgtv,realplayer,kdeメディアプレーヤなどもOKです。
|
周辺機器 |
PCMCIA/CardBus |
CFメモリ |
○ |
前述の通り、なぜかMSより転送速度が遅かったです。詳細は調べていません。 |
PCI社 無線LANカード |
○ |
(借りモノだったので型番忘れました) |
PCI社 CF10T LANカード |
○ |
|
Sony社 無線LANカード PCWA-C150S |
○ |
RHL8.0で試したところ、wvlanとorinocoドライバの両方でさっくり認識出来ました。が、認識は出来たのですがひっかかるわ、遅いわで、まともに使える感じで
はありません。
まだ使い込んではいませんがwavelan2_csのドライバが最もよい結果となりました。こいつは一部バイナリ配布なので、
redhat 8.0だとカーネルとドライバでコンパイラが違うから動かないぞ
などと警告がでます。従ってinsmodするのに "-f" オプションが必要です。
/etc/pcmcia/config.optに module "wavelan2_cs" opts "-f" などと
怪しい指定をすれば通ります。
感度は若干弱いですが出っぱりが少なく収まりがいいのU1のコンパクトさを
損なわず装着感はいいですね。 |
NTT-Docomo P-in comp@ct |
○ |
xppxp, kpppで動作 |
Air H"カード AH-N401C |
○ |
接続時ちょっとだけ遅いのですが、あとは問題なく使えます。 |
USB |
Sony CLIE NR70V |
○ |
MSImportは未テスト |
USB LAN (pegasus chip) |
○ |
|
Sony純正FDD(UFD5) |
○ |
|
CDMAOne,AirH"接続ケーブル U-Cable type A3 |
○ |
/dev/input/ttyACM0として認識されます。 |
メーカ不明のUSB ジョイスティック |
○ |
xmame, zsnesなどで使えました(^^; |
ページを御覧になられたSAITOさんがDebian woodyで動作確認されたようです。
インストールディスクはalim15x3の問題に引っかからず無事インストール出来た
そうです。
● インストールに必要なもの
-
構成1: CD-ROM+FDD
- 標準CD-ROM (CD51A)
- 標準FDD (UFD5)
- お好みのディストリビューションを納めたCD-ROM
- mbm(ブートローダ)入りFloppy
構成2: FDD
- 標準FDD (UFD5)
- お好みのディストリビューションを納めた別なマシン
- LAN
- u1対応bootnet.img
- mbm(ブートローダ)入りFloppy
構成3: Network Only(ネットワークブート使用)
- お好みのディストリビューションを納めた別なマシン
- dhcpサーバとtftpサーバ
- LAN
- u1対応bootnet.img
- mbm(ブートローダ)のFDDイメージ
u1対応bootnet.imgはRedHat7.3用bootnet-rh73-u1.img.bin、Kondara2.1用bootnet-u1.img.binです。
これを使用するとnfs,ftpなどを経由してインストールが可能です。
dd if=bootnet*-u1.img.bin of=/dev/fd0でブートFDDを作成するか、
PXEでネットワークブートしてご利用下さい。
debian(woody), Vine 2.5, Turno 7は標準のブートFDでもOKのようです。
mbmは特にWindows XPとのマルチブートに有効です。
構成2,3ではデスクトップマシンなどをFTPサーバにして
kernel周りのパッケージを入れ換えておけば、
対応済カーネルをインストール直後から使用できるようになります。
また、WindowsXPに一切頼らずにインストール/運用できます。
ちょっと内容は古いですがカスタム
インストールセット作成メモが参考になるでしょうか。
WindowsXPとDual bootをせずにLinuxのみにしてしまうのならばmbmも必要ありませんね。
3番目の構成はBIOSの持つネットワークブート機能を使って
FDDイメージなどからブートしてインストールする方法です。
ftpなどからインストールすれば外付け機器なしでOKです。
詳細は後日 記します。
● 問題点
-
RedHat7.3やKondara 2.1をそのままインストールしようとすると、
起動中に止まってしまってうまく行きません。
chipsetの構成などはVAIO C1MRXとかなり似ているので、
itty君のページの
Linuxに挑戦(C1MRX編)などC1(MRX)関連のページを参考にしました。
ALI15X0のドライバに問題があるらしくIDEデバイスの
アクセス中にロックしてしまいます。
これがU1へのインストールに関する最大の問題点です。
私は試していませんがページをご覧頂いた梅谷さんからの
ご報告によるとTurboLinux8はドライバの問題なく使えるそうです。
以下他のディストリビューション向けの情報としてお読み下さい。
CD-ROMがあれば、インストーラの起動時に"linux ide2=0x180,0x386 pci=off"と
することで、問題無くインストールできます。
FDDしか無い場合、また外付機器を持っていない場合には
当サイトで公開しているu1対応bootnet.imgを使用してインストールが可能です。
また、インストーラのカーネルでalim15x3を使用していないTurboLinux 7, Vine2.5, debianなどは"linux ide2=0x180,0x386"で問題なくインストール出来るようですが、
後述のように再起動で引っかかる可能性があります。
● 試してみたディストリビューション
-
たまたま手元にあったTurboLinux7と私のメイン環境であるKondara2.1を
インストールしてみました。またRedhat 7.3もインストールしました。
また、ページをご覧頂き御報告下さった方々の結果も併記します。
|
FDD boot |
CD-ROMインストール |
インストール後起動 |
問題対策 |
X Window |
Kondara 2.1 |
△ (pci=offでOK) |
△ (pci=offでOK) |
△ (pci=offでOK) |
後述ALI m15x0パッチ |
○ |
Turbo Linux 7(FTP) |
○ |
○ |
× (pci=offでOK) |
カーネル再コンフィグでALIM15x3を'n' (パッチ未テスト) |
×(つついていません) |
Turbo Linux 8 (プロモーショナルリリース) |
○ |
○ |
○ (pci=off不要!) |
パッチ不要だそうです |
○ |
Debian (woody) |
○ |
○ |
○ |
? |
○ (vesaドライバ使用だそうです) |
Redhat 7.3(FTP) |
△ (pci=offでOK) |
△ (pci=offでOK) |
△ (pci=offでOK) |
要ALI m15x0パッチ |
3D関係を切らないとダメ |
Vine 2.5(FTP) |
○ |
○ |
○ |
aliドライバを使っていない。UDMAを使うのに要patch |
○ |
すいませんがdebianは試していません。SAITOさんの御報告のままです。
Turbo Linux 7のインストーラにはALI m15x3対応モジュールが入っていないようで
インストール自体は問題ありません。
再起動時に引っかかるのでpci=offで立ち上げて、
カーネル再コンフィグでalim15x3を切るかパッチを当てるとカーネルは動作します。
Vine2.5も同様にaliのIDEドライバが生きていないので、問題なくインストール出来ますが、生かすと問題が発生すると思われます。すんなりインストール出来るのがいいですね。
RedHat 7.3は基本的にKondaraと似た傾向ですね。
Xに関してはちょっと異なり3D周りの拡張機能を切らないと
うまく表示できませんでした。
Turbo Linux 8は現時点で最も良好な結果なようで、
パッチ不要でsound,X11,alim15x3全てOKだそうです。
(梅谷さんお知らせありがとうございました)
● インストール
-
ざっとインストール手順を。私のやった手順そのままではないため、
間違いなどあるかも知れません。ミスなどご指摘をお願いします。
- CD-ROMから起動
VAIO標準CD-ROM (CD51/A)を使ってインストールしました。
vaioノートで標準CD-ROMを使うにはideのI/Oアドレスを指定するのですが、
u1の場合、alim15x3問題を回避するため
ブートディスクのプロンプトで
linux ide2=0x180,0x386 pci=off
として、PCI無しの状態で起動すれば、なんとか入れることが出来ました。
ALIに対応したbootディスクを作ればネットワークインストールも
可能ではないかと思います。
対応インストールCDなどを作ったら、ばっちりなのですが、
時間が無くてつついていません。
- パーティショニング
購入時はWindowsXP Home Editionがインストールされており、
C:10G,D:10Gとなっています。
リカバリCD-ROMを使うとCの大きさを変更できるそうですが、
とりあえずDドライブをまるごと削除してLinuxパーティションにしました。
- hda1 -- Windows XP
- hda2 -- /bootないしは /
- 以下 swap, /, home など
- インストール
あとはほぼ普通にインストールできます。
liloはlinuxをインストールするパーティションの先頭がいいと思います。
Xサーバですが、C1MRXはKondaraの4.1.0ではうまく動作しないようですが、
U1では問題なく動作し、アクセラレーションも効きます。
- ブートローダの設定
WindowsXPのローダを使ってliloを起動出来るそうですが、
うまくいかなかったので、いつもお世話になっている
フリーの多機能なブートローダmbmを標準FDDからインストールしました。XPはDOSモードがないのでFDが必要でした。
- VAIO-U1対応カーネルのインストール
以上のままでは、カーネルのPCIを生かすとやはり止まるので、
対応のカーネルをインストールします。
基本的な方法は前述itty君のC1MRXのページのやりかたとほぼ同様です。
私のところにもacパッチ,sonypi周りも修正したVAIO-U1対応カーネルをおいておきます。
また老婆心ながらインストールした後でmkinitrdとliloをお忘れ無く。
カーネルダウンロード
RedHat7.3用とKondara2.1用及びswsusp対応のものと3種類用意してあります。
- 当サーバ (遅い。70kb/s程度)
-
mirrorというか (高速。多分) ファイル容量が足らなくなったので閉鎖予定。
ファイルはKondara2.1用はkernel-*-63ky.rpmで、RedHat7.3用はkernel-*-5y1.rpmです。
swsusp対応はこちらをお読み下さい。
インストール手順
- 一旦WindowsXPを起動
- C:\tmpなどを作成
- そこにVAIO-U1対応カーネルをダウンロード
- pci=offでLinuxを起動します。
- mkdir /mnt/ntfs としてマウントポイントを作成します。
- mount -t ntfs -o ro /dev/hda1 /mnt/ntfsなどとしてNTFSパーティションをマウントします。
- 3でダウンロードしたカーネルをインストールします
rpm -ivh kernel-2.4.18-XXX.i586.rpm
rpm -Uvh kernel-headers-2.4.18-XXX.i586.rpm \ (実際には1行)
kernel-source-2.4.18-XXX.i586.rpm kernel-utils-2.4.18-XXX.i586.rpm
- Kondaraの場合、mkinitrd /boot/vmlinuz-2.4.18-63ky.img 2.4.18-63ky
を実行します。
- lilo.confにエントリを追加してliloコマンド実行。RH7.3でgrubをお使いならなにもしなくてOKです。
- swsusp対応を行なったカーネルをSuspend/Hibernationの所に置いておきますので、そちらのほうも参考にしてみて下さい。
以上で基本的にOKです。
● U1向けのカーネルを再構築する方へ
-
上記カーネル(63ky,5y1,swsusp対応)では以下のパッチ、修正を施してあります。
また後述swsusp対応カーネルにも同じパッチが当たっています。
● HDD(UDMA100)について
-
パッチ済カーネルを使うと普通にUDMA100でHDDが使えるようになります。
hdparm -tで試した限り-X66(mode2=UDMA33)から-X69(mode5=UDMA100)まで順に試しても約15Mbyte/Sと速度がほとんど変わらないです。HDDの性能で頭打ちしているように見えます。
● X Window
-
試したディストリビューション別に記します
- Kondara2.1では特に問題なく、標準のもので動作しています。
アクセラレーションも効いており、結構速いです。
- RedHat 7.3では"Module"セクションで"GLcore","glx"を切ると動作します。VMWareで全画面表示可能なのが◎
- Vine2.5でも付属のもので問題無く動作しました。但し私は起動してちょこっと触った程度です。
- debian woodyではvesaドライバで動作だそうです。
グラフィックチップはATI Radeon-Mですが、どうもXFree86 4.1.0では
正式にサポートされていないようです。Kondaraは対応パッチが入っているため
問題ないようです。他のディストリビューションでうまく動作しない方は
XFree86 4.2.0をお試し下さい。
やはりKondara用ですが前出itty君のLinuxに挑戦(PGC-C1MRX)から4.2.0がダウンロードできます。
/etc/X11/XF86Config-4ファイルでScreenセクションのModesに1024x768だけではなく800x600,640x480も指定しておくと、
Num Lockして Ctrl+Alt+'+'又は'-'を押すことで仮想スクリーンで
解像度の切替えが出来ます。
後述しますがsonypiへのパッチを当てるとZoomボタンが取得できるので、
sjogに手を加えることで、やはり仮想スクリーンですが、
WindowsXPと同じようにワンタッチで表示拡大/縮小ができます。
ご希望があったので 参考までにKondara2.1でのXF86Config-4とXFree86.0.log.u1.txtを公開します。参考になるでしょうか...
ちなみにXF86Config-4は、ほとんどXconfiguratorが作ったものに近いです。
● サウンド
-
標準のサウンド機能で大体OKですが、若干注意が必要です。
音質的には内蔵スピーカ=×、ヘッドホン=まあまあですね。
問題点ですが
- 再生中にノイズが乗ります。
- 内蔵スピーカの音量調整がPhoneOut
- Alsaではダメ?(あまりつついていません)
対策として
再生中のノイズですが処理が追い付いていないと発生するようです。
xmms, artsなどクライアントアプリケーションやサーバの設定で
バッファを可能な限り大きくすると大丈夫なようです。
xmmsでは[オプション]->[設定]でバッファリングを1秒くらいとかにすると
ほとんどノイズが無くなります。
KDEではサウンドサーバの設定で
- リアルタイムスケジューリングを有効にする。
このとき/usr/bin/artswrapperにsuidビットを立てる。(これをしないと実際に有効にならない)
- バッファを最大にする
でノイズがほとんどなくなります。
-
次にPhoneOutの問題ですが、
ac97のドライバを見るとPhoneOut=>Monoマスターとなっており、
内蔵スピーカ=モノラル, ヘッドホン=ステレオとマスターが分かれるようです。
従って、おおもとのPCMでボリューム調整したほうがいいと思います。
xmmsでは出来るのですが、音量調整用のアプレットなどではステレオマスターを調整するようになっているものがあるので、ミキサーの画面などからPCMを調整したほうがよいと思います。
Alsaでは音がでなかったのですが、PhoneOutを調整したらいけるかもしれません。
->カーネルを再構築して追試してみましたがやはりだめでした。うまく使えた方、やりかたを教えて頂ければありがたいです。
● MemoryStick
-
/dev/sda1に見えます。マウントして読み書きが出来ます。
-
-
swsuspでサスペンド出来ました。
情報、御報告を頂いた小川さん、itty君ありがとうございました。
素のカーネル2.4.18にSourceForceからacpiの2.4.18対応版、
Florent Chabaud氏のページから2.4.18+acpi対応のswsuspパッチ、
他にCLIE ID関連、ALI DMA対応、MemoryStick、sonypiなど最低限のパッチを当てたkernelで無事動作しています。
なお、ディストリビュータのカーネルには大量にパッチが当たっており、
いろいろバグフィックスや機能拡張されているようなのですが、
それだけに、swsusp+acpiを適用するのは困難そうです。
◎コンパイル済カーネルバイナリ
特にdistributionに関係なく使えると思います。
一応当方では大きな問題なく動作しておりますが、
ディストリビュータが当てている各種のパッチは入っていませんので、
不具合などありましても責任は負いませんのでご自分の責任でご利用下さい。
ちなみに私はKondara, Redhat7.3で使っています。
◎インストール方法
アーカイブは相対パスで納めてあります。カレントディレクトリからbootとlib/modules及びusr/src/linux-2.4.18-y4/include/ に展開されます。作業には十分ご注意下さい。
- 以下の作業はroot権限で行ないます。
- アーカイブをルートディレクトリから展開します。
- "mkinitrd -f /boot/initrd-2.4.18-y4.img 2.4.18-y4" などとしてinitrdを作成します。
- "ln -s /usr/src/linux-2.4.18-y4 /usr/src/linux" としてヘッダのリンクを作成します。
-
以下のようなliloのエントリを作成します。
image=/boot/vmlinuz-2.4.18-y4
label=linux-y4
initrd=/boot/initrd-2.4.18-y4.img
read-only
root=/dev/hda5
append="acpi=on idebus=50 resume=/dev/hda3"
|
-
grubの場合はこんな感じです。
title RedHat Linux (2.4.18-y4)
root (hd0,0)
kernel /boot/vmlinuz-2.4.18-y4 ro root=/dev/hda1 \
apm=off acpi=on idebus=50 resume=/dev/hda3 (実際には1行)
initrd /boot/initrd-2.4.18-y4.img
|
◎使い方
サスペンド前にスクリプトなどで主要なハードウェアをほとんど停止し、
復帰後に再起動します。
02/7/10追記: /etc/hotplug/usb.rcをいじることでusbの復帰がうまく行きました。
詳細な検討はまだなのですが、/etc/hotplug/usb.rcのstartするところをコピーして別なエントリを作り、maybe_start_usb()を呼べばOKです。RedHat7.3で動作確認しました。
02/7/31追記: y4で使っているswsusp v11は8139tooのサスペンドに対応出来ています。従ってネットワークは止めなくても大丈夫になりました!swsusp作者さんに感謝ですね。
デバイスを停止させたら サスペンドですが
echo -n 4 > /proc/acpi/sleep でサスペンド開始します。
swsusp v11では echo -n "1 0 0" > /proc/sys/kernel/swsusp でも
サスペンド出来ます。
メッセージがたらたらっと出て電源が停止します。
次に復帰ですが、電源を入れ、必ずサスペンドしたカーネルを指定して起動します。
また、復帰時にクロックがsuspend時の時刻となりますので、hwclock --hctosys などとして時刻合わせを行ない、停止させた各デバイスを再初期化します。
復帰時に間違えて他のカーネルを指定したりすると、最悪ディスクの内容が壊れたり、ひどいことになる可能性がありますのでご注意下さい。
◎サンプルのスクリプト
swsusp v11(y4)対応 RedHat 7.3用
root権限で動作させる必要があります。ほとんどの場合うまく行きます。
音楽演奏直後などは失敗するかも知れません。
swsusp v8(y1)対応 Kondara用
まだUSB対応が出来ないものながら私の使っているスクリプトです。
これもroot権限で動作させる必要があります。(hotplugが
/etc/rc.d/init.d/hotplug"でアクセスできるものならそのまま使えます。
念のためですが、swsuspを使う場合swapパーティションを退避領域に使用しますのでswapは実メモリの1.5倍程度確保する必要があります。ご注意下さい。
◎ご自分でコンパイルする方へ
上記バイナリを作成するときのパッチ及び手順です。
まずはkernelを展開し、その中でpatch -p1で順にパッチを当てます。
その後make mrproperを実行。
をコピーして.configにリネームします。
後はmake oldconfig, make dep, make, make modulesしてインストールします。ルートディレクトリにvmlinuz, System.mapが出来ますので/boot/vmlinuz-2.4.18-y4, /boot/System.map-2.4.18-y4にコピー(or 移動)します。あとはinitrd作成とlilo編集を行なって終りです。
なをRedhat7.3ではインストールするたびにgrub.confに重複エントリが出来ることを
除くと/bootにコピーされますので、
ルートディレクトリからのファイルのコピーは必要ありません。
● sonypi, Jog Wheel,Zoom,ThumbPhrase
-
まずデバイスを作成します。
mknod /dev/sonypi c 10 250
sonypiは起動時に検出されますが、
なにもしないでいると動的なminor番号がつくので、
これを固定するために /etc/modules.conf に以下の行を追加します。
alias char-major-10-250 sonypi
options sonypi minor=250
前述のsonypi U1対応パッチでZoom, ThumbPhraseボタンの
イベントが取得できるようになります。
ACPIにとられてしまっているのかスタンバイボタンのイベントはとれません。
Jogやボタンのハンドリングには sjog, jogdialdを使ってみました。
結局 sjog を使っています。
sjogの起動時に"-rb"オプションを付けないと
brightnessの設定が明暗逆になります。
私は少しsjogをいじって使っています。
これで
- ThumbPhraseボタン -> マウスボタン2(真中)
- Zoomボタン -> 画面解像度切替え
- Backボタン -> マウスボタン1(左)
として使えるようになります。
2ボタン同時押しで真中ボタンを押すのは苦手なので意外に重宝しています。
注意ですが、sonypiでは押された時のイベントしかとれない(?)ので
ThumbPhrase,Backボタンでのドラッグは出来ません(^^;;
● スタンバイボタン
-
まだ取得できていません。残念ながら数少ない残件の一つです。
● LongRun
-
ユーザ権限でLongRunの設定を変更するには/dev/cpu/0/msrに対する
書き込みが出来る必要があります。
msrのownerはroot.rootでパーミッションは600です。
クライアントアプリケーション(gkrellmなど)をrootのsuidで動作させるか、
システム的にちょっと危険ですがパーミッションを660として、
/etc/groupのrootグループに自分を入れるといいと思います。
- longrun-0.9 -- コマンドラインツール
- GKrellMLongRun -- GKrellmのプラグイン
● gkacpi
-
gkacpiは
gkrellmプラグインのacpiクライアントです。
バッテリ、ACアダプタ状態、温度などがモニタ出来ます。
ただし、少し対応ACPIバージョンが古いため、
適当に修正してインストールすればOKです。
シンプルで軽いのが利点。
● mp3再生
-
実際に効果は測ったりしていないのですが、
crusoeは浮動小数点演算が苦手なそうなので、
mpg321(Kondara 2.1標準, mpg123も同じ物)のほうがmpg123や
他の浮動小数点をつかうものより負荷がさがると思われます。
他のディストリビューションで妙に負荷が高いと思われるときは
チェックしてみてはいかがでしょうか。
mpg123でも固定小数点を使うように出来るので、
これを使うとよいと思います。
Kondaraでは2002/5/19にmpg321のセキュリティアップデートが出ていますので、
そちらを利用されたほうがよいと思います。
● prelinkで高速化してみる
-
crusoeはプログラムの初動が遅く、もっさり感じるので改善出来ないかと思い、
prelinkをRedHatのrawhideから持って来て、使ってみました。
prelinkはshared libraryとバイナリを事前にリンクみたいなことをしておいて、
起動時のリロケーションを減らすことで、起動時間とメモリを節約するものです。
まさにcrusoeにぴったりのチューニングではないかと思います。
残念なことにKDE3を採用しているRedHat7.3では、
一番うまく行って欲しいkde関連やgaleonなどが
'non-PIC'なライブラリはprelink出来ないと宣って失敗しますが、
大半の基本コマンド〜中くらいの規模のアプリケーションには適用可能です。
Kondara 2.1で試すと、やはりgaleonはダメでしたがKDE2.2には適用出来そうです。
気になる高速化ですが、体感的に劇的には変わりませんが、
なんとなく速くなったような気がします。
実際いくつかのソフトの起動をtimeコマンドで測ると少し速くなっています。
参考結果としてKDE2.2をCeleron 1.2Gのデスクトップで測ると
0.46秒短縮になっているようなので VAIO-U1だと0.9秒程度短くなりそうです。
メモリの使用量に関して、結果を残していなかったのですが、
少し改善されているようです。
参考Link
使い方
rpmなディストリビューションではlibelfとprelinkを
もらって来て"rpm -ivh"とか"rpm --rebuild"などと普通にインストールします。
インストール出来たらroot権限で"prelink -vm /bin/hogehoge"などと
対象ファイルを絶対パス指定します。
"prelink -a"とすると"/etc/prelink.conf"に従って
全てのファイルをprelinkしてくれます。
結構時間がかかるので気長にどうぞ。
注意
シェアドライブラリやオブジェクトの改変など危険なプログラムですので
おかしくなっても責任は負いません。万一おかしなことになっても
対処できる方のみお使い下さい。
● 性能(コンパイル)
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kdeutilsをリビルドする際にtimeコマンドで時間を測ってみました。
目安程度にご覧下さい。
システム |
ユーザ時間 |
システム時間 |
トータル時間 |
VAIO-U1 |
2198.110 |
102.860 |
39:02.78 |
デスクトップ(Celeron 1.2Ghz) |
1251.930 |
79.550 |
22:34.21 |
この結果から単純計算するとTualatin Celeron 693Mhz相当となります。
ほとんど整数演算とはいえ、意外に速いですね。
ちょっと体感速度には反しますが、
この結果からいくとMobile Pentium III 600Mhz相当というのは
あながち 嘘でもなさそうです。
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netraverse製のソフトウェア。
Win4LinはVMWareと同じように通常のWindowsをLinux上で動作させて、
アプリケーションを使うためのものです。
VMWareとはエミュレーションの方式が異なり、
ハードウェアではなく下位のソフト部分をエミュレートするため
VMWareと比べものにならない程高速に動作します。
メジャーなディストリビューションにはカーネルモジュールのRPMが、
カーネルパッチが素のカーネル向けに提供されており、
これとWin4Linをインストールして、
その上にWindows98SE(日本語版)をインストールします。
DOS系のシステム部分をLinuxカーネルモジュールで
エミュレーションするようになっており、
元のOSより安定するのではないかとの気もします。
最大の利点は、ほとんどエミュレーションのオーバヘッドなしで動作する
高速性でメモリ消費量もかなり少ないです。
大雑把に速度を述べるとWindowsの起動は1分以内、
アプリの動作(Office97ですが...)は、
確かにCrusoe的なまったりさはあるものの、ほぼネイティブといってよく、
VMWareとは全く比べるべくもありません。
OpenSource界期待の星、OpenOfficeよりもかなり高速です。
また、ファイルシステムですが、Windowsからみると普通のファイルに
見えますが、実はLinuxのファイルシステムを使っており、
ファイルの共有も何も考えずにそのまま出来ます。
特別に大きなファイルを用意したり、パーティションを用意したりする
必要はありません。Windows上のファイルをemacsで編集し、
tar+gzとかでバックアップ出来る訳です。(当然インストールするパーティションには数百メガバイトは必要ですが)
また、デスクトップサイズも任意の大きさにリサイズ出来るため、
画面の狭いU1や変則画面サイズのC1やLibrettoなどでも
全画面を活用できます。
重要なことですが、価格は$90程度とVMWareの1/3程度とお安いです
実用的にはほとんどいいことだらけですが、欠点としては
- 動作原理上、サポートOSが既に過去のものとなってしまった
Windows98系のみで、日本語版はWin98SEのみという点です。
もうかなり古いOSなので将来性に欠ける点が最大の欠点です。
- ハードウェアのエミュレーションではないので、ファイルシステムに依存したり
するようなプログラムに対しては100%の互換性はありません。
(通常のソフトでは問題が起こったことはありませんが)
- マルチメディア関連ではMic入力がないのでIP電話の類は使えません。
- ディスクに関して、Undoableやnon-parsistentなどはありません。
tarとかでバックアップしとけとか書いてあります(^^
- ネットワークも普通に使えますが、若干VMWareより弱い気がします。
- たまに画面の再描画がおかしくなります。
以上欠点を述べましたが、
このソフトの高速性はU1でのWindowsソフト使用を
一気に実用レベルに持ち上げるといっても過言ではないほどのインパクトが
あります。割り切って使うのならば、特にCrusoeマシンユーザには
決して損な買いものではないと思います。
● 参考ページ
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C1関連で多数。一部だけ...
- Bluce Howardさんの pcg-c1mrx and pcg-c1mv linux configuration
- itty君のLinuxに挑戦(C1MRX編)
特に直接間接的に多くの助言やカーネルを頂いたitty君、どうもありがとう。