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Network HotSync with Unix

更新履歴
  • 2000/1/5 ちょこっと修正
  • 2000/1/5 結論を追加
  • 2000/1/5 応用編を修正
  • 2000/1/4 応用編を追加
  • 2000/1/2 記述を追加/修正
  • 2000/1/1 構成図などを追加
  • 1999/12/30 作成

始めに

かねてからPC-Unixをホストにしてネットワークホットシンクがしたかったのですが、 調べてみると英語のページにちらほら情報がありましたので 試してみるとあっけなく成功しました。 あまりにあっけなかったのでみんな当たり前のように知っている情報なのか?と考えてしまいました。

とりあえずWindowsマシン経由FreeBSD pilot-xferとFreeBSD経由FreeBSDのHotSyncが見事出来ました。何度か試してみましたが速度以外には問題なしです。
特にNote PCにPC-Unixを入れている方にお勧めです。 職場や学校のPCをシリアルポート代わりにしてLAN経由でHotSync出来ます。


ネットワークホットシンクとは?

ネットワークホットシンクとはPalmの特徴的な機能である HotSyncをTCP/IP経由で行なう機能です。
HotSyncManagerかpilot-linkのインストールされているPCをゲートウェイにし、 自分のPC(=Primary PC)をIPアドレスで指定して、クレードルやモデムからホットシンクを行なうと LANやその他のネットワーク(セキュリティを考えなければインターネット上でもOK)を経由してHotSync出来ます。 PalmOS3.3では標準で可能であり、それ以前のOSでも3Comから ソフトをダウンロードすることで対応できます。
以下のような特徴があります。

利点

  1. ネットワーク的につながっており、HotSyncManagerかpilot-xferがインストールされていれば場所やPCを問わず自分のマシンとHotSync可能
  2. SerialポートがないマシンでもLANにつながっていればHotSyncのホストにできる
  3. インターネット経由でのHotSyncも可能

欠点

  1. プライバシー保護が甘くなる
  2. セキュリティホールとなる
  3. スピードが遅い

システム構成

System

当方が動作確認した構成は
  • PalmIII+PalmOS3.3+JOS IIIx
  • Windows95デスクトップ+Palmデスクトップ 3.04(? 3.3Upgradeで入るもの)
  • FreeBSDノート+pilot-xfer 0.9.3
です。PalmOS3.02以降ならば可能なはずです。

必要なもの(LAN経由の場合)

  • PalmOS機(OS Ver3.02以上)とクレードル
  • PC(シリアル,Etherカード) *1
  • PC(+Etherカード) *2
  • LAN(HUBなど)
  • pilot-xfer(0.9.*?)またはHotSyncManager(3.02以上)
*1 -- Network HotSyncのゲートウェイ
*2 -- Network HotSyncのホスト

設定と使用手順

設定

pilot-linkの各ツールはシリアルポートの指定に"."(dot)を指定することでNetwork HotSyncを受け付けるようになります。
例えばpilot-xferは環境変数PILOTPORT-pオプションで指定します。

Palm側の設定(以下はPalmOS 3.3の設定です)
HotSyncMenu Palm側ではHotSyncアプリを立ち上げ MenuのOptionsから "LANSync Prefs..."と"Primary PC Setup"で設定をします。
LanSyncSetting "LANSync Prefs..."から"LANSync"を選びます。
PrimaryPCSetup "Primary PC Setup"でLANとホストのアドレスなどを設定します。

PC-Unix(PrimaryPC)側では特に設定することはありません。

起動

設定が終了すると以下の手順で各ソフトを実行します。
  1. Palmをゲートウェイにつながっているクレードルに接続
  2. HotSyncのゲートウェイでは
    • PC-Unixの場合 "pi-nredir シリアル(/dev/cuaa0等)"を起動
      このプログラムは一回のSyncで終了するのでshell scriptなどで 無限ループなどにして立ち上げっぱなしにしておくとよいと思います。
    • Windowsの場合 HotSyncManagerが起動されていること
  3. PrimaryPC側でpilot-xferを "-p ."などとして起動
  4. クレードルのHotSyncボタンを押下 or HotSyncアプリでHotSync起動
実行例
Unix Windows
Gateway> pi-nredir /dev/cuaa0 HotSync Managerを立ち上げておく
(タスクトレイ中でもいい)
PrimaryPC> pilot-xfer -l -p .
HotSync起動

使用感

  • 最近のノートPCはシリアルポートが省略されていたりすることが多く、 私の所有するLibrettoシリーズやVaio N505シリーズでも同様です。 ポートリプリケータを使用すれば問題ないのですが持ち運びに不便です。 NetworkHotSyncを使用すればこれらの必要性がかなり少なくなります。
  • 自宅に複数のマシンがある方も多いでしょう。 HotSyncのための構成、配線の自由度が増えます。
  • 気になったのは速度です。 目に見えて遅くなったので速度をはかってみました。 手動計測なのでかなりいい加減です。1-2秒誤差(^^)がありそうです。 参考データとして読んで下さい。
    このデータからすると普通のHotSyncに対し4-7倍程度時間がかかっており 25K-14400Baud相当と思われます。 PCは決して高速ではありませんがHotSyncをするには十分に速いので これが問題ではないと思われます。 Win->Winは試していないのですが、もしかしてもっと高速かも知れません。
構成
  • シリアルボーレート 115200ボー固定
  • 10BaseT接続(10/100M DualSpeed Switching HUB経由)
  • Win95 デスクトップ PentiumII 266Mhz
  • FreeBSD ノート Celeron 300Mhz
  • "pilot-xfer -l"でPalm内のDatabaseの一覧を実行
接続 時間(単位 秒)
FreeBSD Direct HotSync to pilot-xfer 7.01
Win95->FreeBSD Network HotSync 31.5
FreeBSD->FreeBSD(local) Network HotSync (*1) 48.8
*1 -- FreeBSD <-> FreeBSD はpi-nredirとpilot-xferを同一マシンで実行

応用編(NetVolanteと組み合わせ)

RTA50i(NetVolante)を使った疑似LAN接続と 組み合わせてmodem syncをすると更に自由度の高い環境構築が出来たりします。

ただ、構成はいいのですが私的に評価としてはいまひとつです。 HotSyncと比べて切断/接続が遅い、転送速度が遅いなどという欠点が大きいです。

残念ながら使用を諦めシリアル切替え器(^^)で運用をしようと思っています。 どなたかうまい方法があれば yamap@browncat.orgまで御教授お願いします。

ともあれ設定などです。

rta50iにローカルでDialUpして疑似LAN接続できる環境があると ローカルでネットワークに疑似LAN接続してModem HotSyncを行なうことが 出来ます。

この構成の利点は

  • HotSyncもNetworkも同じHotSyncケーブルで行なえる
  • 接続が同じなため設定変更が少なくて済む
  • Localサーバと組み合わせ運用が出来る
  • PCのシリアルポートが空く

欠点は

  • 速度が遅い (上記の結果と比較すると接続6-7秒+通信26秒程度)
    PalmとTA間を38400baud程度にしないと安定しないようです。
  • PalmがPPPとIPパケットを処理するのにかかる時間が大きい(!?)
  • エラー発生時の回復も遅い。リダイヤル規制に引っかかっているのかも(^^)
  • NetVolanteのTAの線が占有される
  • QuickSyncDAなどが使えなくなる(LocalSyncしようとする)

設定など

設定はrta50iとの接続が出来ているものとして

○ Palm側

  1. HotSyncアプリケーションで"Menu"->"Options"->"Modem Sync Prefs..."から"Network"を選択します。
  2. 同アプリのメイン画面でHotSync先を"Modem"にします。
  3. 接続Networkでrta50iを選択します

○ Unix側

  1. pi-csdを立ち上げるだけです

上記の 起動方法と同じように使用して下さい。 pi-csdはdaemonとして残せるのでバックグラウンドで立ち上げっぱなしにしておけばいいでしょう。

結論

私的に評価した結果の一覧を示します。
組み合わせ 説明 評価
Local HotSync 通常のHotSyncです(含むpilot-link)。安定性、速度共にOK
nfsで共有しておこなうのも良し
Network HotSync WindowsからUnixへ HotSyncManagerはメーカ製品だけあって意外に使えます。ただ大量のバックアップには向かないでしょう
UnixからUnixへ 速度低下が結構大きいです。出来るならばamdなどでnfs経由通常HotSyncの方が良さそうです。 やむない場合はなんとか使用出来るレベルです
Network Modem Sync NetVolanteからUnixへ 転送速度、安定性、切断/接続の時間など全体的に良くないです。 日常的にはまず使用に耐えないでしょう ×

OS3.3ではLocal HotSyncとNetwork HotSyncが使えますが常時Networkにしておいても pilot-xferがシリアルで接続すると自動的にLocal HotSyncになるので 切替を意識せずに使用できます。



ご意見ご要望などは yamap@browncat.org まで
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Modified: 00/01/31